【No.6】ハーバードの自分を知る技術 ロバート・スティーヴン・カプラン

 昨日もリンクを張ったこの本。今日で読み終えたので、その感想を記事にする。  

 

 まず感じたのは「自分を知る」作業というのは一生をかけて行うもので、本を一冊読み終え、出てくるワークを一通りやったくらいでは成し得るものでは到底ない。目的地のない旅路をゆくようなものであり、日々の生活のなかで少しづつ進めていくしかないことを、肝に銘じようと思う。

 

 同時に、私はこの本を、キャリアに迷う社会人や、就職活動に励む学生にこそ薦めたい。自分にとっての価値観や成功を定義し、より良い働き方を志向するうえでの心強い武器となるはずだ。

 

 本書で参考になったのは「サポートグループ」という考え方だ。サポートグループとは、あなたが長年個人的に関係を築いてきた人々をグループにまとめたものである。

 一例として、著者は以下のようなグループのリストを挙げている。

 

・聖職者

・信頼できる友人

・配偶者、家族の誰か、または恋人

・賢者(あなたのことをよく知っていて、経験豊かで判断力がある人。)

・専門家

・直属の上司、職場の先輩または管理職の人、職場の仲間

・職場の部下、特に直属の部下

 

 こうしたリストを作成していくうちに、自身のネットワークに大きな穴があることに気付く。著者は人の成功を阻む要因に「孤立」を挙げているが、あなたがある状況下で孤立を感じているときに、ネットワークの穴を突き止めることができれば、孤立している原因も突き止めることができるかもしれない。

 

 リストに入れる人の基準は、単純に仲良しならば良いというわけではない。基準はズバリ、あなたに対してアドバイスや精神的サポートを行ってくれそうな人だ。また、グループ内の人々の間に面識がある必要はない。あくまで「自分にとって精神的な支えとなる人」という基準でサポートグループを定義していく。

 

 僕の場合、サポートグループは多くはないが、確かに存在することが分かったし、そのことにほっとした。さらに感じたのが、「アドバイスをもらうばかりで、相手のためになるアドバイスを行うことができているのだろうか?」ということである。人間関係において、自分本位になりすぎてはいなかっただろうか。相手のためを想って言動を選択できているかどうか、考えるきっかけとなった。

 

 互いに利益をもたらす持続的な関係は、双方が共に協力して作り上げていかねばなりません。

 

 当然ながら、人は一人では生きていけない。サポートグループの助けがあってこそ、自分は成長できるし生活できているのだと、以上のワークを通じて改めて実感した。

 自分を知る作業を続けていくとともに、自分のアクションが、少しでも相手がより良く生きていくための支えとなれるよう、精進しつづけたいものだ。