長続きする幸せ、長続きしない幸せ

 最近はwell-beingに関して勉強することが多い。

 今日のテーマは少々壮大だが「幸せ」についてだ。

 

 経済学者ロバート・フランクは家や車などの物質、社会的地位など、他人との比較によって幸福感を得られるものを「地位財」、健康や愛情など、他人との比較無しに幸福感が得られるものを「非地位財」と定義した。これら両者の財について、心理学者のダニエル・ネトルは「幸せの持続性が異なる」とし、地位財は幸福が長続きせず、非地位財は幸福が長続きしやすいと論じている。

 

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 別にどっちを取るのが良いとかいう話ではないが、自分も若い世代の人間として、世代全体が非地位財を重んじる傾向にあると感じる。就職活動に励んでいた時、やたら給与を気にする友人たちの気持ちを全く理解できずにいたけれど、今思い返せば彼らも、給与を欲しがっていたようで実はそこにある安定、心の平穏が欲しいのかもしれない、とふと思う。

 

 ちなみに幸福度は、男性と女性なら女性、未婚か既婚なら既婚、子がいないかいるかならいる方が高いのだそうだ。女性のほうが幸福度が高いのは以外であったら、既婚者と子どもを持つ親の幸福度が高いのは納得がいく。「人とのつながり」というのはやはり、人の幸福度に大いに貢献するのだと思う。

 

 さて、持続的な幸せを手に入れるにはどうすべきなのだろうか。僕はやはり、非地位財の幸せを追い求めるのがベターだと思うし、そのために、日頃からの自己認識が必要だと感じている。普段、自分が何に感動を覚えるか、どういうことに価値を見出しているのか、日記をつけるなり人に聞くなりして考えてみる作業が大事なのだと思う。

 

 加えて、地位財がもたらす幻想に振り回されないことだ。人間には、必ずしも幸福になれるとはいえないものに過剰な価値を感じ、それを追い求める傾向があるといわれる。「フォーカシング・イリュージョン」と呼ばれるものだ。

 歯切れの悪い言い方になるが、要は思い込みを認識し、適切な対処ができるよう努めることだ。地位財に限らず自分がなにか一つの考えに凝り固まってしまっているとき、そこにフォーカシング・イリュージョンが存在していない、一歩引いて考えてみることが重要である。

 

 参考文献:https://president.jp/articles/-/22327